心が動いた瞬間 ─ 2013年 心に“ぐっ”とクルニクル

2014年 2月 8日
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2014年になって1ヶ月が経ちました。

更新が滞っていまさら感満載ですが昨年と同じスタンスで、感性に響いたこと 心をザワつかせたこと 買って良かったものをクロニクル形式(時系列)でご紹介します。

2月 コトリンゴ Live “白いツバメの探しものライブ”

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via. YAMAHA ART “BACKSTAGE”

4th.アルバム 「ツバメ・ノヴェレッテ」のリリースライブ。個人的に好きなミュージシャンなので想い入れも絶大ですが、これまでの集大成を魅せつけてくれた期待以上のパフォーマンスでした。1年サイクルで出てるアルバムが早く発表されないか待ち遠しい。

 

3月 山室一幸さん 訃報

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ファッションジャーナリストでINFASパブリケーションズ WWDジャパン編集長 山室一幸氏が3月16日に急逝した。享年53歳。

僕は知り合いでもなく、接点といったら学生の頃のセミナーでパネラーを務めていた山室さんに質問したくらいのまったく親しくない間柄です。ですが、僕がファッションの世界に進むきっかけとなったファッション通信を制作していたのが山室さんであり、自分の中で大事にしているサンローランのインタビュー映像を撮ってくれた人物であり、一方的に畏敬の念を抱いております。ご冥福をお祈り申し上げます。

 

3月 針がいらないレコードプレーヤー

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「フロンティアーズ~明日への挑戦~」というラジオ番組で紹介されていた、世界で唯一の光学式レコードプレーヤー「レーザー・ターンテーブル」をつくり上げるまでの挑戦の道程。
LPレコードを再生する場合、通常レコードに刻まれたミゾを針でなぞり、その凸凹の振動が音(サウンド)として発音されるという原理。 この機械はニードルレス(針無し)で、レーザーによってレコードの溝を読み取るという光学式のレコードプレーヤー。

 

何が困難かというと、レコードの溝は1つとして同じものは存在せず、また使用回数による劣化、保管状態などによって千差万別。 実現不可能といわれていた装置を試行錯誤の末、製品化。聴いていて驚いたのは、音源となるくぼみの凸凹は、溝の一番深いところ以外、谷の側斜面にも情報として刻まれているということ。この製品はその傾斜面の劣化してない情報を読み取るのでほぼ原音なみのサウンドが再現できる。

ニッチな層にしか広まらないと思っていた製品が異国の地で認められ賛美される。オンエア最後のカナダ国立図書館の心意気に目頭が熱くなった。

 

4月 プレゼン「ローカルヒーロー 地方の強み」 家安香さん

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ブログでも綴った家安さんのプレゼントーク。

衰退されていくと危ぶまれる繊維産地。グローバル化されていく昨今ではコストパフォーマンスや効率ばかりが重視され、地方が持っている特異性(オリジナリティ)が時代と合わず失われていく。国内の繊維産地はそんな問題を抱えていて、それを打開しようと試みている山梨県富士吉田産地のお話。

このブログをつくった目的も国内な織物(繊維産業)の認知度を変えることを目標としていて、また織物に限らず、田舎で育った地方出身者として、今後ローカル(地方)がどのように成長でき、どんな捉え方をされるのか、東京に憧れつつも地元を見離せずにどこかに救いを求めている日々です。

 

5月 むのたけじ 講演

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専門学生の時に、この人の詞集と出会い、ずっと直接見たいと思っていてやっと実現しました。御年98歳。(2015年に100歳) マイクを使わず、一度も座ることなく講演を終える、という並々ならぬバイタリティ。(いつもそうらしい)

生きること、人としてどうあるべきか、自分と真摯に向き合い綴られた言葉の数々は40年以上の時を経ても、旧錆びず力を宿している。講演会などではなく直接御目にかかって笑談したい。

 

読む時期によってどの短句も違う響き方をして考えさせられるのですが、心に留めておきたいことばを本から引用すると──

 

「真の好評は声にならない。真の悪評も声にならない。それゆえ世評によりかかる者もそれにおびえる者もたやすくくずれてしまう。」

 

「誰もが毎日いろんな顔つきを見せるが、煮つめると三種類のどれかだな。まずいものを食べたつら、おいしいものを食べたつら、腹をすかしているつら。」

 

5月 星野源 3rd.アルバム  “ストレンジャー”

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良い。聴き込んでも浅くなく微妙な感情表現を気持ちよく歌い上げてると思います。ラジオ番組から入って好んで聴くようになったのでまたラジオにカムバックしてきてほしいけど、お身体お大事に無理せずマイペースに。アルバム買うタイミングがずれてレンタル盤を聴き込んでいることが後ろめたい・・・。

 

6月 マドカマチコ W×Y

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via. マドカマチコ W×Y 5巻

コミカルなギャグタッチを主軸としながらも心に刺さる繊細な感情表現も織り交ぜるコメディマンガ。そのある一話。マンガ家を夢見るアシスタントが理想と現実の間に苦しみ悩む中、主人公がかける一言──

 

「才能は枯れるものじゃない。ただ自分を騙した後ろめたさが積もって、眠ってしまうものなんだよ。」

 

たぶん誰しもが幼き日に抱いた夢に対して、生活するためには仕方ない、いつまでも夢を見続けてはいられない、と心寂しく感じる瞬間がふと訪れる。

このエピソードは理想に悩む葛藤とそれに対する誠実な肯定を、丁寧なコマ運びと細やかなニュアンスで描いたお見事な一幕でした。(実際のコマ割はこの画像の間と前後の流れがあって、一部抜粋だと伝わり方が変わっちゃうので、絶妙な構成!とひとり絶賛してます)

 

7月 ラジオ ハービー山口さんのエピソード

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ピーター・バラカンのラジオ番組で写真家、ハービー山口さんが語った若いころのエピソード。

 

──サンタナの初期ドラマー、マイケル・シュリーブがバンドを脱退してオートマティック・マンというバンドを結成する。タクシーでマイケル・シュリーブを空港へ送るときハービーさんが、「サンタナに在籍していれば名声も富も保証されたのに、なぜ抜けたんだい?」と尋ね、こう返答されます。

 

「人生はお金や名誉だけじゃないんだよ 自分の足でどれだけのことができるかを試すのも人生なんだ

僕はドラムスティックを 君はカメラを持っているだろ 自分の才能に懸けて生きていく 僕も君も同じ人生なんだよ」

 

自分の仕事は高収入でもなく、やりがいを見出してこの職に進んだわけで、別の職種を選んでいたら・・・、とどこかで想像してしまうけど 世間体に流されず、歩み方の原点を気付かせてくれるエピソード。

 

Tokyo Midtown presents The Lifestyle MUSEUM – TOKYO FM Podcasting
2013年07月19日 ON AIR 写真家 ハービー山口
このエピソードが語られるのは16分30秒あたり…

8月 かわいい布展

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手紙社が主催するかわいい布をキーワードとして集まった展売会。

見に行って驚いたのが来場者の多さ。生地屋さんが閉店するたびに裁縫需要ないのかなぁ、と感じていたけど、ちょっと視点を変えれば、こんなにも興味を持っている層はいるんだと大きな発見でした。(記事にしようと思っていて できてなく後ろめたい・・・)

 

8月 富士吉田 産地見学 ヤマナシハタオリトラベル

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4月の家安さんのプレゼンで知った富士吉田の織物組合が企画してくれてる産地見学ツアー。富士山が2013年6月に世界遺産登録され、国内で富士山ボルテージが昇り上がる良いタイミングに行けました。

何社かの機屋さんを見学して、改めてものづくりの良さと大変さを認識できたとても有意義な体験でした。こちらもブログ記事にする予定ができてなくて後ろめたい・・・(才能が眠ってしまうッ)

 

▷ シケンジョテキ: 富士山(ふじやま)テキスタイルプロジェクト2013、学生産地見学ツアー!

 

9月 2020年 東京オリンピック決定

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開催が決まったことで国民感情が明るい方向に向かって何よりです。

もしかしたら首都圏だけが賑わってるだけなのかもと思ったり、これまでの日本を覆っていた閉塞感や行き詰まり感はオリンピックというゴールが示されただけで払拭できる程度の問題だったのか、とも思ったり・・・。開催が決まったことは嬉しいけど、それに浮かれて本質的なことに向き合わず上辺や外面だけを繕ってしまうのは良くないなぁ・・・と。

 

昔はっぴいえんどが「風街ろまん」という作品で高度成長で失われいく古きよき日本・東京の姿を面影見たように、今に息づいているいとなみや趣きが受け継がれていきオリンピックが終わってもその先に繋げていくことを考えなければ、と感じる今日この頃です。

 

10月 マスキングテープ展 mt博

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mtさんが発表される前から多彩なマスキングテープを集めていて、mtシリーズが発表されるやいなや、待ってました!と飛びつくくらい使い勝手の良いこのテープを溺愛してました。展覧会が催されるたびにスケールが大きくなっていき、今回も期待通りで大満足でした。

縫製現場でも裁断パーツに貼ってナンバリングしたり(粘着糊が付かない)、整理するとき色でラベル分けしたりと工夫次第で便利な使い方ができる頼もしいやつです。

 

11月 500BクラスSSD購入

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初めて購入したMacは128GBのSSDを搭載しました。

その半年後、FinalCutで動画をやり始めたらタクシー料金の如くストレージ容量がすぐ埋まっていくので、光学ドライブを取り除いて128GB SSDを搭載してRAID構成(ストライピング)で使用していました。

使い心地は良かったんですが、タイムマシン(Macのバックアップ)がうまく動作しない不満とSSDの価格も2011年と比べたらぐっと下がってきて、年末は大掛かり映像編集の予定もあったので、念願の500GBクラスのSSDを購入しました。たまにプチフリしてね!?と感じることもありますが、大容量は正義と日々その恩恵を噛みしめております。

 

12月 裁ち鋏製作見学 実演 総火造り

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裁ち鋏の記事を書いたときに知った、千葉駅近くにあるフルカワ刃物店。

ここでは今もなお総火(そうひ)造りという製法で鋏をつくられてる職人さんがいて、年末セールのイベントとして実演すると聞きつけたので、またとない機会と見に行ってきました。

カンカンと一本の鋼が、指を入れる穴が開いて、刃先ができ、鋏の形となっていく様子を間近で見れて日々仕事で使っている鋏への理解度と愛着が深くなりました。

 

職人の北島さん曰く、「直接使う人の要望を聞いて、一方通行じゃないやりとりをしたい」と話されていました。

先日も海外で服飾の仕事をしている方が調べて訪ねてきたそうで、本人が満足いく鋏をこしらえた、というエピソードを教えてくれました。近いうちに自分も一丁こしらえてもらいたいと思っています。

 

刃物 フルカワ (株式会社古川商店)ホ-ムペ-ジ

結び 2013年の所感

4月頃からサイトの更新ができてなくて自責の念に至ります。

 

友人の結婚式用の動画をつくったり、年末にかけては同窓会用の動画をつくったり、服飾より映像制作のスキルが高くなった2013年でした。どうでもいい事ですが、VideoStudio(Win機) →iMovie →FinalCutProX →Motion →そして念願のAfter Effectsと昔から憧れてたAEに入門できるレベルまでやっと辿り着けたことが嬉しかった1年です。

 

最近考えることは「ファッションとして〜してる」という言葉です。

手軽に調べることができたり、片手間でつくったりできるので、それは創作・発表できる敷居が低くなったということだけども、上辺だけの装いに満足しないこと。

 

何事にも造形深くなることは難しいけど、興味を持続させた先にその人の為人(ひととなり)が現れて生き様となるから、小手先だけで満足しないよう自分の芯を剥き出して、向き合うことを躊躇わないように、その壁を乗り越えてなにかのカタチになりますように・・・・・・、と身に沁みて感じる年頃です。

 

以上、これにてこれにて。

 

[Filtering by Textile-Michelin テミラン]

【ちょっとクルニクル】

メインストリームほどではないけどちょっとした事柄はこの補足欄で綴ります。略して『ちょっクル』

【[1月] MBP購入】

親が使用してる富士通のノートPC(WinXP)機が10年目に突入し、いろいろ危ういので代わりとしてMBP(13inch)を購入。この時期は円高で下位モデルが7万で購入できたんです。今は10万近い値段なのでいいタイミングでした。

【Liveストリーミング】

ちなみにこのライブはUstとニコ動で生配信されるという太っ腹な企画でした。臨場感とか繊細な部分はネット中継だと伝わらないので現場で体感です、やはり。

【ファッション通信】

1985年11月より現在も続くファッション情報番組。モードの世界にフォーカスしてるファッション番組は日本だとこのファ通が代表格で、あとはNHKの「TOKYO FASHION EXPRESS」くらい。2002年3月までは地上波でオンエアしてたが今はBSジャパンで放送されている。大内順子さん特有のナレーションはモードにぴったりな欠くことができない存在。WIKI

【フロンティアーズ 明日への挑戦

土曜日18:00 - 18:30にTokyoFMほかキー局でオンエアしてる、「スキル」と「テクノロジー」で明日を切り開いてきた人物を紹介するプログラム。2009年7月より放送開始。

【[4月] 朝ドラ あまちゃん】

そっと忍ばされてる笑いが好きなのと能年玲奈の可愛さにやられ欠かすことなく見れました。途中から東京編になって地方と都会をどういう描き方をするのか興味があって、最終的には家族の繋がりの方に傾いた印象が占めているけど、閑散と廃れてしまった地方に何を見出せるのか、もう少し確信できるエレメントが欲しかった。でもそういう核心は自分で探し出さなと結局はファッションになってしまうのだろう。WIKI

【むのたけじ】

1915年1月2日秋田県生まれ。武野武治。報知新聞社を経て朝日新聞社に入社。1945年8月15日に新聞人として戦争責任をとる形で退社。1948年より手刷り週刊新聞「たいまつ」を創刊し、新聞の在るべき姿を求め続けた。タブロイド判新聞にのせてきた短句が編纂され、「詞集たいまつ」が1967年9月に初刊され、現在たいまつシリーズは6集まで出ている。WIKI

【W×Y】

2012年6月より週刊ヤングジャンプに連載されているマンガ。美女達に惑わされながらも己の理想を追究する孤高のエロ漫画家,横田高志のトライアングルLOVEコメディー。WIKI

【ハービー山口】

1950年生まれ東京都出身。大学卒業後の1973年にロンドンに渡り10年間を過ごす。パンクロックやニューウエーブのムーブメントに遭遇し、デビュー前のボーイ・ジョージとルームシェアをするなど、ロンドンの最もエキサイティングだった時代を体験する。人々の「希望」をテーマに撮影し、写真のみならず、エッセイ、作詞、ラジオDJなど、ジャンルを越えて幅広く活躍中。2011年に日本写真協会賞作家賞受賞。
以前、植田正治の写真展でハービーさんのトークショーを聴衆し、その軽快なしゃべりと写真に対する誠実で清新な眼差しに触れました。被写体の表情が撮影者を物語ってるかのような写真。

【The Lifestyle MUSEUM】

金曜日18:30-19:00 TokyoFM ON-Air。この番組は毎回知的でバラエティに富んだトークが展開されるおすすめのラジオ番組。オンエアがポッドキャスト配信&アーカイブされいつでも聴けるのもナイス。パーソナリティのピーター・バラカンは第50回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞(2013年)を受賞している。

【[7月] 風立ちぬ】

気が付いたら予告映像を観ずに公開が迫ってきたので、このまま何も情報を入れず映画を観ようと思い劇場に行きました。感じることはいろいろあるけど、クリエイターとして歩んだ先に冥利をつかめたんだと感じました。「値する価値」を築き上げた功績を称えたい。(本編に入れてもよかったけど代表格すぎて外してしまった。アカデミー賞どうなるか期待)

【[8月] Mac壊れる】

MBP Early2011モデルでグラフィックカードが故障するというトラブルが報告されてて自分のマシンもなりました。ロジックボード全取替 修理費4万円・・・。データが飛ぶという最悪のケースじゃない故障だったので良かったけど、データの安全がわかるまでは気分がどん底でした。

【mt】

mtブランドは2008年に発表されました。1923年に岡山県で起業したハエ取り紙などの粘着製品を製造するカモ井加工紙が母体となり、それまで影の薄かったマスキングテープを一気に文房具の主要文具・雑貨まで押し上げました。「手で切れる」「貼って剥がせる」「文字が書ける」などの優れた機能性と「やわらかな風合い・色合い」「透け感」など感性を刺激する豊かな表現力を秘め、便利さと楽しさを運んでくれる魅力的なツールです。

【プチフリ】

プチフリーズのこと。SSD内で書換え動作が頻繁に発生すると、交通渋滞のようにアクセスが低下して、レスポンスが悪くなること。

http://www.frkw.com/index049a.html

 

【年末セール】

事前にお店にDMを送ってもらうように申込んでおくと案内が送られてきます。12月上旬にセールが行われ、セール品はとても安くなり、通常商品も1,2割引となります。高めの買いたい商品があるときは利用したですね。

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