裁ちハサミの研ぎとメンテナンス方法

2012年 11月 23日
Category:

 ■職人さんのハサミ研ぎ

 

裁ち鋏を日本橋木屋で研いでもらったので、そのレポートと鋏のメンテナンス(自己流)をご紹介します。

 

 

 

まず研ぐ前の鋏の状態。團十郎・寸法26c・使用歴8年です。

年に2〜3回は自分でメンテナンスを行い、職人さんに研いでもらったのは4年前です。

見た目はサビがチラホラ浮き出て、切れ味は少し引っかかる感じ。

 

 

これを職人さんに研いでもらいます。

 

 

まず鋏を分解して2つに分けます。これをグラインダーで研ぐのですが、

よく見るとヤスリの下にブロックを挟み、アーチを描いて凸となってます。

実は鋏の場合、刃の表面を少し掘るよう仕上げます。

この部分を「裏スキ」と呼んでいるそうです。裏スキがあることで2枚の刃が一点で接するため素晴らしい切れ味を出すことができるのです。

 

その後、職人さんが微調整を行い、サビを取ってもらい、握り具合を調整して完了です。

(一様作業の説明はしてもらったのですが伝えるのが難しいので割愛)

内側表面のサビもスッキリ落ちて、切れ味もサクサクです。

 

 

 

 

 ■鋏のメンテナンスの仕方(自己流)

 

こちらが処方前。握ると手にサビが付いてきます。

使用するのはサビ取り用の専用クリーナーです。サビ取り&切れ味がアップします。

使用方法は簡単です。まずよく振ってから液体を出し、残布でひたすら磨きます。

液体はザラザラでこれが研磨剤の役割をしてくれ、金属面のサビを取りピカピカになるという訳です。

 

左が磨いた後 右は磨く前

サビを取った小鋏がこちらです。

まぁ新品のものと比べると金属状態が変質してるので流石に新品同様にはなりませんが切れ味は良くなりました。

あとはミシン油を染み込ませた布と一緒にアルミ缶箱に入れておけば、全体に油が馴染んでくれます。長い間使わない時もこの保管方法でサビるのを防げるのでオススメです。

 

 

 

■持ち手にテーピングする

 

次に裁ち鋏の柄の部分をテーピングしたいと思います。

以前の状態がこちら。上側を取って新しくバイアステープを巻いていきます。

地の目に沿ったヒモよりバイアス気味のほうが巻く時にフィットしながら巻きつけていけるのでオススメです。

 

まず始まり部分を木工用ボンドで止めます。木工用ボンドは乾くと透明になります。

ボンド部分が乾いたら緩まないように巻き付けていきます。

巻き終わったら最後の部分もボンドで止めて完成です。

 

 

 

 

今回は鋏の研ぎ・自己流メンテナンスを紹介しましたが、『刃物』は奥が深いですね。

  • 一般的な製造法・構造・使い方・種類
  • 鉄/鋼/ステンレスなどの材質・成分の違い
  • 海外のハサミ事情
  • 日本刀からの受け継がれる日本独自の製法
  • 面白い逸話が残る名刀虎徹、妖刀村正
  • はたまたロストテクノロジーと云われるダマスカス鋼、斬鉄剣、オリハルコン…etc.

 

やはり男子はこういう話題には興味が湧いて語りたくなっちゃうみたいです。

まぁ、ここら辺で話を切り上げた方がお後がよろしいようで。

(より専門的に知りたい人は下記リンクがオススメ↓)

 

 

ラシャ鋏の研ぎ
◎ラシャ切ハサミの種類は大きく分けて三種類です。上級、中級、並級にもっといえば上級の中には“名門”があり、並級の下に論外の鋳物製があります。 ◎どこが違うのかというと、ハサミの刃の構造が決定的に違ってきます。

@nifty:デイリーポータルZ:黒船が伝えた鋏造り、最後の伝承者
以前、千葉の刃物屋さんで包丁の研ぎ方を習った話を記事に書かせていただいたのだが、その時に先生をやられていた北島さんは、「総火造り裁ち鋏最後の伝承者」なのだという。 研ぎ方教室の後にちょっと話を聞いて …


Shop-Information
店名 日本橋木屋本店
住所 東京都中央区日本橋室町2-2-1 コレド室町1F
Tel 03-3241-0110
Open 10:00 - 20:00
アクセス

銀座線「三越前駅」A6出口→登って地上階に出てスグ

WebSite

http://www.kiya-hamono.co.jp/

メモ

創業1792年。2012年で操業220年。
以前あった三越前から近くに移転。現在はコレド室町内になり店内もスタイリッシュ。

取扱商品 刃物全般
商品価格帯 良い物は高いですね
最終来店日 2012.10
[Filtering by Textile-Michelin テミラン]

【裁縫ハサミの歴史】

裁(たち)鋏、裁断鋏、布切り鋏、洋裁鋏、ラシャ(羅紗)切鋏といくつか呼び名があります。

ラシャ切鋏についてはポルトガル語のRAXAを音訳したものです。羅も紗も薄い絹織物のことですが、二字を合わせた造語の羅紗と言う布は、絹とは関係のない「毛織物の一種で地を厚く、織り目を細かく表面だけを毛羽だてた布」を指します。
明治の廃刀令により、転職を余儀無くされた刀鍛冶の挑戦から日本鋏の歴史は広がっていきます。
江戸鋏の系譜では重く扱いづらい輸入物の羅紗切鋏を、日本人に使い易く改良した吉田弥三郎(1861~1901)が有名です。ほかにも全国各地にそれぞれ開祖がおり今日まで技術が受け継がれています。

【木屋の即日仕上げ研ぎ】

日本橋の木屋では月2回職人さんが出張してきて当日中に研ぎを仕上げるサービスを行なっている。価格は刃物によるが今回は1700円ほど。出張のスケジュールはこちらで確認。(通常は研ぎ出し〜仕上がりまで1週間ほど)

【男の方が早くサビる?】

男の方が刃物が早くサビるそうだ。まぁ考えてみると男子の方がよく汗をかくしなるほど。また使い終わったら表面を布で拭うだけでもサビるのを防げる。歳を取っても心は錆たくないものだ。

【鋏は研げない?】

昔から「鋏は研げない」と言われていたそうです。砥石で刃物を研ぐ際に鋏のポイントである裏スキを平らにしてしまい噛み合わせる力が分散して変になる、というのが理由です。職人さん曰く「内側ではなく外側をちょっと研ぐだけでも切れ味が戻る」とのことでした。また切れ味が悪くなった時はネジを緩めてやるといいと教えてくれました。

【日本と海外の裁ち鋏の違い】

日本製の裁ち鋏は主にハガネ製で、欧米ではステンレス製が主流です。それぞれメリットがあり、ステンレス製はサビなく化繊などの硬い繊維にも強いです。一方ハガネ製は切れ味が素晴らしく、使っていくうちに本人に馴染んできます。欧米の人が日本製のハサミを使うと切れすぎて怖いというのを聞いたことがあります。
欧米のテーラーなどではステンレス鋼製の30cクラスの鋏を使います。大型の鋏を振り回すあの仕事姿がこれまたカッコイイんですよね。

【さびとり つや之助】

5年前に東急ハンズで買ってまだ半分以上残ってます。今は大1200円 小700円ほどで売られてるみたいですね。サビも良く落ちるし切れ味アップするし長持ちだし、つや之助大活躍ですね。

【工場用の小鋏】

この小鋏が今まで使ってきた中で一番いいです。中国で生産していて日本ではあまり売ってないのですが業界の展示会で販売されます。その際大量に買ってストックしていたのですが、孝富のオンラインショップでそれっぽいのを見つけたので今度注文して確かめてみます。300円と安いのもナイス。

【切れ味を復活させるTips】

一時的に切れ味を復活させる小ワザとして「アルミホイルを切る」「ドライバーなどを2,3回噛む」という方法があります。裁ち鋏はやらない方がいいですが、作業中に小鋏の切れ味が悪くてイライラしたときには目打ちでシュシュとやってます。

【刃に付いたベタベタを取るTips】

「ハンドクリームを塗る→数回チョキチョキ→ティッシュで拭き取る」これで粘着ゴミが取れるそうです。裁ち鋏とは別に何にでも使うハサミがそうなっているので今度試してみます。

【持ち手の塗り直し】

柄のコーティングが剥がれて錆びてしまった場合塗り直すことができます。木屋で尋ねたところ1000円程度で2〜3週間かかる、とのことでした。

【木屋で購入した油】

別にミシンオイルでも問題ないんですが、料理包丁などはオイルの匂いが刃物に付いてしまうので木屋特製オイルは無臭になっているそうです。315円。隣はホームセンターで買ったごく普通のミシン油。

オンラインショップ

One Response to 裁ちハサミの研ぎとメンテナンス方法


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